こんにちは、肌スキ編集長のタクミです。
アトピー性皮膚炎と日々奮闘中の私たち。
体が痒いなんていうことは当たり前の毎日だと思われますが、
ふとした瞬間、
『私ってもしかして匂ってる・・・?』
と感じたことはありませんか?
もしくは、匂いがすることがわかっていて、
その匂いをどうにかしたい!
という方も多いと思います。
今回はそんなあなたのために、アトピー性皮膚炎の匂いの原因と主な対処方法をお伝えします。
1、アトピー性皮膚炎はなぜ臭いと思われる?
そもそも、なぜアトピー性皮膚炎が臭いと思われるのでしょうか。
結論から言うと、この段階だけの判断では『イメージ』が原因である可能性も十分に考えられます。
アトピー性皮膚炎は皮膚の病気です。
それだけに、アトピー性皮膚炎の患者さんの中には
肌がボロボロだったり、傷跡が多く残っていたり、いつも体をかきむしっていたり・・・
ということになっている方が非常に多いです。
これはアトピー性皮膚炎を経験している私たちからしてみると、当たり前のように感じられる状況なのですが、
肌に不自由していない方や、アトピー性皮膚炎に理解のない方から見ると
『肌がボロボロ、傷跡がたくさんある、体をかいている』=匂いもキツそう
という方も少なからずいらっしゃるのです。
このような感覚を持った人が、周りに印象を話すと噂として情報が広まり、
さも本当に匂いがするような状況になってしまうことがあるのです。
これは人のイメージの問題なので、どうすることもできないのですが、
肌の匂いを気にされている方は、この意識があるとないとで心の軽さが全然違います。
アトピー性皮膚炎=臭そう
という部分だけでいうと、実際に臭いわけではないのに
周りからは臭いと思われてしまうような状況もあるのだと、理解しておきましょう。
2、アトピー性皮膚炎の匂いの原因
そうは言っても、実際には本当に匂いがしている場合もあります。
あくまで可能性ですので深く考えなくても結構なのですが、あなたが自分の匂いに気づいていないだけかもしれないのです。
ではもし、アトピー性皮膚炎で体から臭い匂いが発しているという場合は、どんな原因が考えられるのでしょうか。
ステロイド独特の匂い
一つは、アトピー性皮膚炎の治療でよく使用される『ステロイド』が発する匂いという可能性です。
ステロイドというのは、独特の匂いがあります。
1度や2度の使用では大したことはないかもしれませんが、定期的にしようしているという方は、
もしかしたら、体に使用しているステロイドの匂いが定着してしまっていて、
その匂いを臭いと感じられている可能性もあるのです。
傷口から滲み出る体液
これは大きな問題となっている可能性が非常に高いです。
人の体の中で生成される液体には、少なからず匂いがあります。
アトピー性皮膚炎の患者さんの場合、この液体がかきむしった傷口から染み出して、
その匂いに対して、臭いと思われているかもしれません。
汗をかいた時の匂い
アトピー性皮膚炎の人は、肌が乾燥しやすい体質にある人が多いです。
そして、肌が乾燥していると繁殖しやすい菌というものがあることをご存知でしょうか。
それは『黄色ブドウ球菌』と言って、これ自体に匂いがあるわけではないのですが、
この黄色ブドウ球菌が発する成分に匂いがあります。
この黄色ブドウ球菌の餌となるのが『汗』
よくある汗の匂いというのが、この黄色ブドウ球菌の成分によるものであることが多いのです。
2、アトピー性皮膚炎の匂いの対処方法
上記では、アトピー性皮膚炎の方が臭いと思われる主な原因を紹介しましたが、
ここからかく匂いの原因ごとの対処方法をお伝えします。
イメージ
これはご自身の行動や露出を変えてみることによってある程度イメージを変えることは可能でしょう。
一度ついたイメージを変えるということは簡単なことではないです。
しかし、現状をどうにかしたい・・・と思う方は、
数人でも構いませんので、周りの人と実際にお話をしてみましょう。
知っている人とでも良いですが、できればこれまであまり自分と接点がなかった人と交流することをおすすめします。
こうすることで、噂やイメージが実際のものとは異なるということに気づいてくれます。
数人がこの事実を知ってくれるだけで、噂というのは驚くほど簡単に衰退していきます。
そうは言っても、これまでアトピー性皮膚炎が原因で積極的になれない・・・という方も多いと思います。
そんな状況でも現状を解決したいという方。
決して推奨するわけではありませんが、もしその状況でもどうしてもイメージを払拭したいと考えるのであれば、
まずは人前で体をかきむしらないこと。(実際これは本当に辛いと思いますので、気持ちもわかりますが無理はしないようにしてくださいね。)
そして、できるだけ肌の露出を抑えること。(夏場は特に汗をかく原因にもなり得るので、これも絶対に無理はしないでくださいね。)
です。
個人的には、この方法を取るよりは『気にしすぎない』ことや『早く直すための対策に専念する』ことをおすすめします。
今は辛くても、世界は今見ているものが全てではありません。
あなたが学生さんなら、今後体の成長によって体質が改善されるということも十分過ぎるほどに考えられます。
なので、どうか自分の匂いを気にしすぎないようにしてくださいね。
体液
体液の匂いは、症状が治らないからと言って匂いを消すための商品を使用するのは、おすすめしません。
体液が出るということは、体が体液と一緒に体内の不要物を体外に排出しようとしているので、
それを止めたり、ましてや香水をつけるなどの行為は不要物をさらに投入するのと変わりません。
体液が止まらない・かゆみが治らないということは、排出しなければならない何かを日常的に摂取している可能性が高いです。
なので、もしかゆみや体液がずっと続くようであれば、食事や日常的に肌に使用しているものを変えてみることを強くおすすめします。
汗の匂い
汗の匂いの原因となる『黄色ブドウ球菌』は、乾燥した肌を好みます。
裏を返すと、肌を乾燥させない工夫をすれば、黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐことができるということです。
さらに、黄色ブドウ球菌は、全てというわけではありませんが、水で洗い流すことで落とすことができます。
そして人によって良し悪しはありますが、一番おすすめの方法が
『海に入ること』
です。
これは、海水(塩水)が黄色ブドウ球菌を死滅させる効果があるからです。
実際に、海に入って体のかゆみや匂いがなくなったという方は、黄色ブドウ球菌が原因だった可能性が高いです。
しかし、この方法は海に入るということが平気なくらい、肌の状態がある程度気にならない方でなければ海水がしみることによって逆に症状あが悪化してしまう可能性もありますので、
ご自身の肌の状態をしっかり考えた上で、判断してくださいね。
3、まとめ
今回は、アトピー性皮膚炎の方の気になる匂いについてお伝えしました。
匂いというのは、人の五感の1つに過ぎませんが、イメージによって補正されてしまうことで勘違いを生んでしまったり、
逆に本当に匂いが強い場合は、周りに迷惑をかけてしまっている可能性もあります。
優しい人は匂いについては口に出しませんし、はっきり言って一番辛いのはアトピー性皮膚炎を患っている本人なので、仕方のないことといえば仕方ないです。
しかし、そんな中でもお互いにいい関係を築いて行くためには、
アトピー性皮膚炎を持っている方は、たとえ臭っていたとしても、周りを気遣う行動を見せる
周りの人は、少しの匂いであれば極力本人の辛さを考えて頂くとともに、もし匂いが無視できないほど強烈な場合は、優しく教えてあげることも一つの手として考えておく。
このようなことがお互いにできていれば、匂いが原因で悩むこともお互いに大きく減ります。
匂うという現状は仕方ないとしても、周りを気遣うことが巡り巡って自分の心を楽にすることに繋がりますので、
お互いに思いやりの心を持って、匂いを気にすることがない関係を築いて行きましょう。